ヴォヤ・ヌイ島編(2006年~2007年)
概要
ツラガ達によってメトロ・ヌイの秘密、そしてマタ・ヌイの魂が死の淵にある事を知ったトーア・ヌーバ達は生命のマスク『イグニカ/Ignika』を求めて『ヴォヤ・ヌイ島/Voya Nui』へと向かいます。
残されたター・マトラン『ジャラー』は彼らの手助けをするべく各村から5人のマトラン(ハーリ、コング、マトロ、ハウキー、ヌパルー)を集めて後を追います。
ヴォヤ・ヌイ島への航海は地獄のような島を支配する真の『カルザーニ/Karzahni』に囚われるなど苦難の連続でしたが、遂に島を発見、彼らの新たな運命が動き出しました。
この時期からトーア達に「マタ・ヌイの命を取り留め、そして復活させる」という大きな命題が課せられます。
新たなキーアイテム生命のマスク『イグニカ』の存在が明らかとなり、洋上のヴォヤ・ヌイ島と海底のマーリ・ヌイを舞台に繰り広げられる戦いは聖杯伝説のような形相を帯びていきます。
2006
あらすじ
ヴォヤ・ヌイ島の物語はイグニカの探索に向かったトーア・ヌーバと島のレジスタンスマトラン(ヴォヤ・ヌイ レジスタンスチーム/Voya Nui Resistance Team)が、
自身らをトーアと偽りサモラランチャーのパワーでヴァヤ・ヌイ島のマトランを隷属させた元ダークハンターのギャング『ピラカ/Piraka』が対立するところからスタートします。
後期ではヴァヤ・ヌイ島を発見し上陸しようとするジャラー達に突然天に浮かぶ赤色の星『レッドスター/Red Star』から雷が落ち、
それを受けたマトラン達は新世代のトーア『トーア・イニカ/Toa Inika』へと進化を遂げます。
また、新たな敵としてオーダー・オブ・マタヌイの『ブルタカ/Brutaka』が、ヴェゾックから分離し頭部にイグニカを宿した第7のピラカ『ヴェゾン/Vezon』が、
そしてブルタカを止めるべく行動するかつての盟友『アクソン/Axonn』が加わる事で戦いは激しさを増していきました。
製品
この年、バイオニクルシリーズは製品面で大きな転機を迎える事となります。
まず、ギアギミックが完全に廃止され、以降は明確にアクションフィギュア路線で展開されます。
デザイン面も、アメリカンコミック的なパワフルかつワイルドなものが増えていきました。これは当時のバイオニクルシリーズ最大のマーケットである北米エリアを意識してのものと言われています。
ピラカはボトル商品の中では初めてとなる「明確な悪意を持った敵」で、
これ以降の敵ボトル製品は(グラトリアンシリーズのボロックスやスクラールは例外ですが)トーア同様に「明確な自我を持った1人のキャラクター」がラインナップされていきます。
(ボロック・カルやヴィソラックも自我を持つが、前者は悪意は持たず、後者もシドラックらに隷属させられているので明確な悪意はない)
後期のトーア・イニカシリーズでは新型のインナーヘッドパーツ(通称:マネキンヘッド)が採用されますが、不評だったのか以降はメトロ期のヘッドパーツに戻ります。
また、この年のボトル製品は俗に「TRY ME! パッケージ」と呼ばれる、店頭で製品のギミックの一部を試遊できるパッケージが採用されているのが特徴で、
ピラカの目やトーアの武器を光らせる事が可能となっています。(これも北米市場を意識してのデザインだと考えられています)
メディア展開
日本では唯一の邦訳版ゲームとなる『バイオニクル ヒーローズ/BIONICLE:HEROES』が発売されました。バイオニクルのテレビゲームは初年度から存在しますが、邦訳版が出たのはこのタイトルのみ。
ただし日本でのメディア展開はこれのみと言っても過言ではなく、以降はカタログの僅かな文章のみがバイオニクルの世界観を知ることのできる唯一の邦訳資料となってしまいます。
一方で海外ではトーア・イニカのCMにはアメリカの人気バンド『オール・アメリカン・リジェクツ/The All-American Rejects』のヒットナンバー、
『ムーブ・アロング/Move Aling』が用いるなど大々的なプロモーションが行われます。
北米市場を意識した製品開発やプロモーションの甲斐あってか、この年レゴ バイオニクルはシリーズ最高の売り上げを記録しました。
上半期 / Winter - ピラカ / Piraka
下半期 / Summer - トーア・イニカ / Toa Inika
マトラン / Matoran of Voya Nui
タイタン / Titans
プレイセット / Playsets
プロモーションセット / Polybag
その他 / Other
2007
あらすじ
生命のマスクを賭けた戦いはその舞台をヴォヤ・ヌイ島から海の底『マーリ・ヌイ/Mahri Nui』へと移します。
前期では新たな敵として古の時代に広大な領域を支配していた6人の将軍『バラーキ/Barraki』が登場。水棲ラヒの軍団を引き連れてマーリ・ヌイのマトラン達を苦しめます。
後期には生命体の姿を変容させる『ピット/The Pit』の特殊な水の効果でトーア・イニカは水中での活動に適した『トーア・マーリ/Toa Mahri』へと姿を変え、バラーキと対決。
イグニカの守護者『ガデュンカ(カジュンカ)/Gadunka』と『ハイドラクソン(ヒドラクソン)/Hydraxon』、そしてマクータが憑依した警備ロボット『マキシロス/Maxilos』を交え、生命のマスクを巡る戦いはクライマックスを迎えます。
また、外伝として前年にジャラー達を苦しめた『カルザーニ』と、最初のトーアチーム『トーア・コルダック/Tok Cordak』のリーダーである『レゾヴィック/Lesovikk』のマーリ・ヌイでの戦いも描かれ、
商品は海外トイザらス限定で発売されました。
製品
これまでボトル製品は基本的に「マスクとツール以外は単なる色違い」でしたが、この年からキャラクター毎に異なる構造が採用されるようになります。
また、バラーキを中心に混色成形パーツが使用され独特な質感を持ったパーツが多いのも特徴です。
2005年から展開されていたレゴ システム(普通のレゴ)規格のプレイセットシリーズは今シリーズを持って最後となりました。
これ以降システムとの連携を図ったシリーズは2013年の『レゴ チーマ ビルダブルフィギュア』シリーズや、2014年の『ヒーローファクトリー:インベーション・フロム・ビロウ』シリーズまで登場しません。
この年から日本では通常販売商品はボトル系のみとなり、大箱系は全てレゴブランドストア「クリックブリック」の限定商品に、それ以外は日本未発売となりました。
翌年からはバイオニクルシリーズそのものがクリックブリック限定流通となり、トーア・マーリシリーズは日本では最後の一般販売商品となってしまいました。
メディア
この年のイメージソングは、前期のバラーキシリーズにはデンマーク出身のバンド『クライオーシェル/Cryoshell』の『クリーピング・イン・マイ・ソウル/Creeping in My Soul』が採用されます。
後期のトーア・マーリシリーズは地域によって楽曲が異なり、北米エリアではアメリカ出身のバンド『ドートリー/Daughtry』の『クラッシュド/Crashed』が、ヨーロッパエリアでは前期同様クライオーシェルの『フェイス・ミー/Face Me』となっています。
ちなみに、これ以降バイオニクルのイメージソングは全てクライオーシェルが担当する事になります。