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70785 オワツ:マスター・オブ・ストーン/Pohatu:Master of Stone

製品情報

発売日 2015年4月3日
価格 2280円(税抜)
※クリックブリック店頭販売価格
パーツ数 66ピース
パーツリスト BrickLink ※外部リンク
備考 クリックブリック限定商品。
米国では2015年1月1日発売。$14.99(税別)
キャラクターバイオ:オワツ

オワツは恐れを知らない不屈のトーア(英雄)である。彼の無尽蔵なスタミナで知られ、恐らく全てのトーアの中で最もしぶとい。不屈の闘志と不可解なほどの自信で、オワツは大胆不敵な先鋒としてチームの先頭を大股で前進する。そう、彼は何物をも恐れない!・・・暗い場所を除いて。
Pohatu is unyielding and fearless. Renowned for his unbreakable stamina, he is arguably the toughest of all the heroes. With firm resolution and mysterious stubbornness Pohatu strides forward as a fearless vanguard leading the way of the heroes. Well almost fearless. Pohatu does NOT like the dark.

マスク 岩石のマスク / Mask of Stone
岩石のゴールデンマスク / Golden Mask of Stone
武器・装備 ジュッテラング / Jeterangs
ストームラング / Stormrangs
ダガー / Dagger
得意技 カブーンアラング / Kaboom-arang
サンドストーム / Sandstorm
キャラクターバイオ:ブルースカルスパイダー

ブルースカルスパイダーは生命力が強い生き物だ。驚くほどにタフで時にオヌーをも打ち倒すほどである。
The blue skull spiders are some tough critters. They have been known to survive incredible things. Such as a falling Onua.

カタログ紹介文

オワツの強大なエレメントパワーを解き放て!可変式ジュッテラングを足に装備した空駆ける岩石の戦士はスカルスパイダーを打ち砕く! スカルスパイダーを発見したらジュッテラングを2つの巨大なストームラング(ブーメラン)にし、岩石のゴールデンマスクを賭けた戦いに備えよう。スカルスパイダーがオワツのマスクを奪い取ろうとしてきたら、背中のギアを回し武器を振るって跳ね除けろ!
Summon the awesome elemental power of Pohatu – Master of Stone to defeat the Skull Spider! Attach the convertible Jeterangs to the feet of this powerful, posable BIONICLE® figure and launch into the sky. When you locate the Skull Spider, transform the Jeterangs into 2 huge Stormerang weapons and get ready to battle for the Golden Mask of Stone. Resist all attempts to pop off Pohatu’s mask, and activate the bashing battle arm to send the Skull Spider flying!

コミック

インスト(取扱説明書)とパッケージ裏にはショートコミックが掲載されています。

レイアウトは異なりますが内容そのものは『プロテクター・オブ・ストーン』の説明書に掲載されているものと同一です。 「ゴールデンマスクの聖域に到達したプロテクター・オブ・ストーンとオワツ。プロテクター・オブ・ストーンはスカルスパイダーの群れに襲われますが、ゴールデンマスクを手にしたオワツが反撃。オワツ達は勝利を収め、プロテクター・オブ・ストーンは(エキームの探索へと旅立つ)オワツに武器を託す」といったストーリー。

パッケージ

パッケージは旧バイオニクルのようなプラスチック製ボトルでも、ヒーローファクトリーで長く採用されていたチャック付きのビニールパックでもない紙製のものに変更されています。 紙はレゴブロックのパッケージ素材としては最も標準的ですが、その形状は他のシリーズと異なり角が取れたバイオニクルシリーズ独自のデザインになっています。 画像では見えませんが天面は吊り下げ販売用の穴を出す事ができるようになっており、他のレゴシリーズと異なりフィギュア売り場での販売も意識している事が伺えます。

ボックスアートはゴールデンマスクの聖域を背景に、砂嵐を巻き上げる『オワツ/Pohatu』に『ブルースカルスパイダー/Blue Sukll Spider』が飛びかかる構図。また、よく見ると右奥の方に『ロード・オブ・スカルスパイダー/Lord of Skull Spiders』も描かれています。

メインモデル

『トーア/Toa』はバイオニクル世界において「英雄」を意味する言葉ですが、新シリーズでは『マスター/Master』とも呼ばれています。 『オワツ』は岩石属性のトーア(マスター・オブ・ストーン)で、 驚異的なパワーで岩石を砕いたり、砂嵐を巻き起こす能力を持っています。

さて、そんな『オワツ』ですが、他のトーアに比べるとやや背が低く作られており、その分ガッシリとした体型になっています。岩石(=茶色系)のトーアですが銀色の部分が多く、ブーツや甲冑を付けたような感じで、防御力が高そうな印象です。ちなみに背中に青いペグは後述の武器(ダガー)をマウントするコネクタになります。

カラーリングは、茶色の色味は異なりますが2002年に発売されたオワツ・ヌーバを思い出させる配色です。「ダークオレンジ」「銀(フラットシルバー)」をメインに、「透明黄緑(トランスネオングリーン)」が入る構成。 シンボルカラーは茶色系ですが、割合でいうと銀色部分が多めかつ透明黄緑がアクセントとして入る事もあり、これまでの茶色系トーアに比べて個性的な色をしています。

アーマーや装備品を外すとこのような感じ。アーマーを外すとフレームのクリア部分が際立つのと、改めて銀色のパーツが多い事が分かります。 右腕のトゲ付きアーマーがサイドキック(相棒)的存在である『プロテクター・オブ・ストーン』とお揃いのデザインになっているのが良い感じです。

バトルモード

オワツのメインウェポンは『ストームラング / Stormrangs』という巨大なブーメランで、飛ばした軌道に沿って砂嵐を発生させられる事が可能とされています。 中央部にはヒンジがあり、曲げると後述の『ジュッテラング』になるほか、ゲームでは真っすぐ伸ばして剣のように用いる場面もありました。

オワツといえば蹴り技が得意なキャラクターなので飛び道具の印象は薄いですが、もしかするとファントーカ版の武器(可変式のプロペラ)を意識しているのかもしれません。

ブーメランというありそうで無かったモチーフかつ、デザイン自体も非常にカッコよくて魅力的なのですが、ペグの嵌め込みが甘くちょっと外れやすいのが惜しいです。(折り曲げギミックの為に「ブーメラン用パーツx2+黒ペグ」という構成になっている) レゴ社の製品はパーツの精度が非常に高さがウリの1つなだけにこの詰めの甘さは残念です。(他のパーツは概ね良好)

アドレナリンモード

ストームラングを『ジュッテラング / Jeterangs』として足に装備する事で、もう1つの形態『アドレナリンモード/Adrenaline Mode』となります。この形態のオワツは宙に浮く事で砂漠を素早く移動する事が可能となります。また『ダガー / Dagger』は信頼性の高い武器で素早い攻撃が可能。
戦闘よりも移動に適した形態であるため、アニメやコミックではこちらがデフォルトの姿であるように描かれている事が多く、特にアニメでは下半身に竜巻を纏い移動する姿が印象的です。

他のトーアが「サーフボード」「スキー」「フィン」など実在のツールをモチーフとしているのに比べると、オワツのアドレナリンモードはシュールというか異彩を放っていますね・・・w(ちなみに「ジュッテ」はバレエのシューズの事なのでモチーフが無いわけではない様子)

また、足への装着がペグ1本で行われる関係で完全に固定されない(くるくる回る)のがちょっとイライラするかも;(構造的に仕方ないと言えば仕方ないのですが・・・)

説明書やパッケージではブーメラン状態のままで付けるよう指示されていますが、アニメやコミックではこのように折り曲げた状態で描かれる事が多いです。(どちらを選ぶかはお好みで?)

武器・ギミック

「マスク」「インナーヘッド」「目」はそれぞれ別パーツになっていて、マスクパーツは脱着が可能です。 インナーヘッドはバイオニクル用の新型パーツが使用されており、マスクは「こめかみ」に開いた穴にマスクのジョイントをはめ込む独自の接続方法になっています。
目の色は「透明黄緑(トランスネオングリーン)」で、後頭部(クリアパーツの後ろ部分)を押すとマスクが外れます。 また、クリアパーツは集光パーツの役割も兼ねていて、光に透かすと目が光っているように見えます。

オワツのマスクは頬のインテークや額のモールドなどに旧版の意匠が色濃く残っていますね。

胴体内にはギアが組み込まれており、背中の黄色いギアを回すと「右腕」がスイングするギアギミックがあります。 旧バイオニクルでは胴体を兼ねた専用のギアボックスが用いられていましたが、新シリーズでは汎用的なギアボックスをヒーローファクトリーのフレームに装着する方式になっています。

旧シリーズのオワツは腕ではなく足が動くギミック(キックギミック)が特徴だったので旧来のファンとしてはちょっと残念。海外のファンの中にはキックギミックを実現している人もいるので出来れば踏襲して欲しかったと思います。(まぁ、下半身が肥大化して不格好になるのは事実ですが・・・)

小さなギアを噛ませることでほどよい負荷ける構造になっており、ポージング時に腕が垂れさがったりしないよう工夫がなされています。旧シリーズではギアに連動した腕がプラプラしてしまうという欠点がありましたが、新シリーズでは上手く改善されていて好印象です。

旧シリーズではギアギミックを備えた製品同士でマスクを叩き落とし合う「バトル」が出来ましたが、新シリーズでも(一応)可能です。 ただし旧版よりもマスクが外れにくく、関節部で打撃の威力が殺されてしまうので難易度は高め。どちらかというとロールプレイ用のギミックな印象です。

ゴールデンマスク

『70785 オワツ:マスター・オブ・ストーン』にはボーナスパーツとして『岩石のゴールデンマスク/Golden Mask of Stone』が付属します。 ゴールデンマスクは強力なエレメントパワー(大自然の力)を秘めており、前期シリーズではこのゴールデンマスクをオコート島から探し出す事がトーアの最初のミッションとなります。

そして、ゴールデンマスクはオコート島の『時の寺院/Temple of Time』に眠る伝説のマスク職人『エキーム/Ekimu』のテレパシーを装着者に伝える力も秘めており、後期シリーズではエキームの導きに従い、失われた『創造のマスク/Mask of Creation』を探し出す事が新たなミッションとなるようです。

スカルスパイダー

『70785 オワツ:マスター・オブ・ストーン』には『ブルースカルスパイダー』が付属します。 ブルースカルスパイダーには尾が付いたタイプと付いていないタイプがありますが、『ストーン』と『オワツ』には尾があるサソリ風のタイプが入っています。脚と尾はクリップで接続されているので個別に可動。

スカルスパイダーはトーアやプロテクターの顔に取り付ける事ができます。 「マスクに取り付く敵」というと旧シリーズのボロックの『クラナ』を思わせますね。ドクロの意匠が施された凶悪そうな面構えで、マスクとしてもかなりカッコいいです。

比較

同クラスのトーアと比較するとこんな感じ。同クラスの他2体よりも身長は低いですが、その分がっしりとした体つきになっていますね。

ポージング

各関節がボールジョイント接続になっているので様々なポージングが可能。 武器の取り回しがいいので色んなポーズが映えますね。アドレナリンモードは地面に置くとアレですが浮かせたポーズにすると意外とカッコいいかも。

コンビネーションモデル

同シリーズの『70779 プロテクター・オブ・ストーン / Protector of Stone』(以下『ストーン』)と組み合わせるとコンビネーションモデル(合体モデル)を作る事が出来ます。

オワツの場合は、『ストーン』の武器『エレメンタル・サンドストーン・ブラスター』に『ダガー』を合体させ、『ストーン』のアーマーをアドレナリンモードのオワツに装着した姿になります。

ゴールデンマスク発見後の「『エキーム』の導きで『創造のマスク』を探す」という新たな冒険は6人のトーアのみで行わねばならず、彼らを送り出す際にプロテクター達が自分の持っている武器をトーア達に託す事でこの形態になるようです。(アニメ版ではゴールデンマスクに付け替えるのみ)

アドレナリンモードのオワツは武器が『ダガー』のみで心もとない感じですが、大型の武器が追加される事でだいぶ頼もしい印象に変わりますね。

総評

お気に入り度
5/5
3/5
4/5
オススメ度
コストパフォーマンス

何かと色が変わる茶色枠ですが、新シリーズではまさかのダークオレンジで登場です。 まぁ、ただの茶色だと地味すぎるていうのは分かるのですが、システム(普通のレゴ)と色を揃えずらいっていうのは混ぜて遊ぶ派の自分としてはちょっとなぁと思ったり思わなかったり。 もっともシステム側でもダークオレンジは拡充傾向にある色ではありますし、茶色系は比較的他の自然色や同系色に混ぜやすいので何とかなるっちゃなるんですが。(とりあえずダークオレンジにしたからにはそれで貫き通して欲しい所)

オワツというか色の話をしてしまいましたが、セット自体は良い所と悪い所が混在する感じです。
まず、基本的なデザイン面は概ね良好と思います。ブーツや甲冑を思わせる銀色の部分や腕のスパイクはメカでありファンタジーなバイオニクルの世界観にマッチしていると思いますし、武器のブーメランもありそうで無かったモチーフで面白いです。 「ブーメランを履く」アドレナリンモードはかなりシュールですが、実際手に取ってみるとこれはこれでアリな気もしてきます。

一方で惜しい点も散見されます。まず「オワツなのにキックギミックが無い」というのは旧来のファンからするとそれだけでかなりのマイナスポイントになってしまいます。レゴ社がどの年代に向けて開発しているのかにもよりますが、キックギミックは欲しかったなぁと。

次に、セットの目玉であるブーメランパーツに練り込み不足が感じられるのも惜しいです。造形自体は非常にカッコいいのですが、アドレナリンモード時に完全に固定できないのも、留め具である黒いペグが少し抜けやすいのでどうしても遊びずらい印象を抱いてしまいます。 特に後者は腕のスイングギミック時にもアドレナリンモードに組み替えるときにも関わってくる部分なだけに残念です。もし今後このパーツを用いたセットを出す場合は是非ともこの部分を改修して出して欲しいです。

あと、茶色系はどうしても色が地味なせいで売れ残りがちな枠なのでもっと装備を豪華にして欲しかったなぁというのもあります。ただでさえ色味が地味なのに身長も武器もパーツ数もガーリやレーバの方が大きい(多い)っていうのは流石にちょっと・・・;(そういう意味でも差別化の為にキックギミックが欲しかった)

・・・と、いつに無く長々と語ってしまいましたが、個人的には気に入ってたりw
自然色系のパーツが好きなのと、質実剛健な雰囲気がツボ。マスクのデザインもカッコいいので改造映えしそうな気がします。ある意味“通”向けのセットかも?

パーツ面では、ブーメランやダークオレンジのパーツに鋳造コストが掛かるのか、同クラスのトーアに比べるとパーツ点数自体は少ないですが、ヒーローファクトリーやチーマであまり供給されてこなかった銀色のパーツが多く入っているのがポイント。 新型ショルダーアーマーの銀色も現時点では最多となる3個入っており、銀色パーツ好きにはマストバイ・アイテムです。