マタ・ヌイ島編(2001年~2003年)
概要
『スライザー』『ロボライダー』と続いてきたレゴ社のアクションフィギュアシリーズの第3弾が『レゴ テクニック バイオニクル/LEGO Technic BIONICLE』です。
「ギア」と「ボール関節」という基本要素を踏襲しながら、不振に終わったロボライダーの反省点を活かし、デザインはよりヒロイックに、物語はよりドラマチックに進化しています。
バイオニクルの10年もの長きに渡って繰り広げられた壮大な物語は2001年に『マタ・ヌイ島』とよばれる神秘の孤島からスタートしました。
2002年にはマタ・ヌイ島の秘密を解き明かすカギを握る『ボロック』が、2003年には『マクータ(テリダックス)』とその先兵である『ラクシ』が登場します。
バイオニクル 2001 / BIONICLE 2001
あらすじ
神秘の島『マタ・ヌイ島/Island of Mata Nui』、そこには豊かな自然が溢れる世界。
島の住民達は『マタ・ヌイ/Mata Nui』を『グレート・スピリット(部族主神)/Great Spirit』として崇め、調和を保ち平和に暮らしていた。
だが、マタ・ヌイの兄弟である『マクータ/Makuta』はそれを羨み、世界を己のものとすべくマタ・ヌイに呪いを掛けて深い眠りへと堕としていまう。
世界は闇の力に包まれる。だが、島にはある予言が伝わっていた。
「世界に危機が訪れる時『トーア/Toa』と呼ばれる6人の英雄が島を救う為に現れる」と。
予言の通り、マタ・ヌイ島の海岸に6つのキャニスターが流れ着き、中から6人のトーア『タフー/Tahu』『ガーリ/Gali』『レーバ/Lewa』『コパカ/kopaka』『オワツ/Pohatu』『オヌー/Onua』が現れる。
トーアはそれぞれ大自然の力『エレメントパワー/Element Power』を持つが、マクータに打ち勝つためには、装備者に様々なパワーを与える仮面『カノイマスク/Kanohi Mask』を島の各地から探し出さなければならない。
こうして、トーア達のカノイマスクを求める冒険と、邪悪なマクータから島の自由と平和を取り戻す為の戦いが始まった。
彼らは6つの村の長老達『ツラガ/Turaga』の導きと、島の民『トフンガ/Tohunga』の協力を得ながら戦い抜かねばならない。
製品
レゴ バイオニクルの記念すべきシリーズ第1号。
2001年シリーズは島を支配するマクータを打ち倒すべく島の各地に隠された神秘の力を持つ『カノイ・マスク』を求めるトーアの冒険を中心に描かれます。
商品はマタ・ヌイ島を救う使命を背負った6人のヒーロー『トーア』、その知恵で英雄と村人を導く村の長老『ツラガ』、
島の住民である『トフンガ』(※2003年以降はマトランに改称)、そしてマクータに操られた島の動物達『ラヒ』、そしてランダムで神秘のマスクが封入された『マスクセット』などが発売されました。
そして、「組み換え出来るアクションフィギュア」という斬新な要素と、子供達を夢中にさせるストーリー、後述の積極的なプロモーションが受け、バイオニクルは『レゴ スターウォーズ』『レゴ ハリーポッター』に次ぐ(レゴ社オリジナルブランドではNo.1の)メガヒットシリーズとなりました。
メディア展開
バイオニクルの発売に際して、レゴグループは大々的なメディアミックスとプロモーションを行いました。
広告面ではお馴染みのカタログ掲載やTVCMの放映もさることながら、当時としてはまだめずらしいWebサイト中心の宣伝が特筆すべき点です。
ストーリーはWebブラウザゲーム『マタ・ヌイ:オンラインゲーム』や、アメリカンコミックの大手出版社『DCコミックス』(スーパーマンやバットマンを発行している所)から発刊されるコミックス、児童向け小説を中心に展開。
更にマクドナルドのハッピーミール(日本でいうハッピーセット)にオマケを付ける、バイオニクルをテーマにしたビデオゲームの発売など、これまでにない多様な場所・メディアで展開がなされます。
日本でもトイザらスなどの量販店では専用のコーナーを設けたり、コロコロコミックに広告を載せるなど力を入れた展開がなされます。
小説は販売はされませんでしたが、コミックスの方はレゴクラブマガジンに別冊として付属したり、店頭での無料配布などの形で流通します。
上半期 / Winter - トーア / Toa
ツラガ / Turaga
トフンガ / Tohunga
下半期 / Summer - ラヒ / Rahi
その他 / Other
バイオニクル 2002 / BIONICLE 2002
あらすじ
全てのカノイを集め、『キニ・ヌイ寺院/Kini Nui』でマクータを退けラヒを開放したトーア達。
しかし、安堵する間もなく『ボロック/Bohrok』と呼ばれる謎の敵が突如として、それも大群で現れて島のありとあらゆる物を次々に破壊し始めます。
複数体集まる事でパワーを増すボロックに苦戦するトーア達ですが、彼らが地底から現れる事、本体が頭部に納められた『クラナ/Kurana』である事を突き止めます。
トーア達は大元を断つ為にボロックの巣へ突入する事を決意。巣の扉を開くカギとなるクラナを集める為に戦い始めます。
製品
この年トーア達はバイオニクル世界に隠された大いなる秘密の片鱗に触れる事になりますが、製品面でもシリーズの基礎となるスタイルが確立されました。
今シリーズの敵キャラクターである『ボロック』はシリーズ初となる敵側ボトル商品で、これ以降は敵味方それぞれ6体づつボトルタイプの製品がリリースされるスタイルで展開さていきます。
またこの年は、ボロックをサポートする『ボロクーバ』、そしてボロック(スウォーム)の群れを統率する双子の女王『カードック&ガードック』(バーラックツインズ)が登場。
その驚異的なパワーはトーアやトフンガ達を苦しめますがトーアサイドにも『エクゾトーア』や『ボクサー』といったパワーアップアイテムが登場します。
上半期 / Winter - ボロック / Bohrok
上半期 / Winter - ボロクーバ / Bohrok Va
タイタン / Titans
その他 / Other
バイオニクル 2003 / BIONICLE 2003
あらすじ
辛くも『バーラックツインズ/Bahrag』を封じ込める事に成功したトーアは『エネルギープロトデルミス/Energized Protodermis』の力で『トーア・ヌーバ/Toa Nuva』へと進化を果たす。
しかし強すぎる力はトーアの団結を乱し、更にはヌーバの力の源をエリートボロック『ボロック・カル/Bohrok Kal』に奪われてしまう。
バーラックツインズを解放せんとするボロック・カル。トーア・ヌーバは失った力と団結を取り戻し、戦いに勝利する事ができるのだろうか?
後期は、光のマスク『アボーキー/Avohkii』を偶然見つけた2人のター・マトラン、クロニクラーの『タクア/Takua』とタ・コロ・ザ・ガードのキャプテン『ジャラー/Jaller』が予言の中で語られる第7のトーアを求め冒険の旅へと赴く事になります。
光のトーアの出現を恐れたマクータは圧倒的なパワーを持つ新たな敵『ラクシ/Rahkshi』を解き放ち、第7のトーア探索を阻止すべく送り込みます。
製品
前期はボロックのマイナーチェンジモデルであるボロック・カルが発売されます。
基本構造を引き継いだマイナーチェンジモデルの発売はこれが最後で、以降は毎シリーズ異なる構造の商品がラインナップされていきます。
後期に発売された『ラクシ』はバイオニクルで初となる膝関節を備えたモデルで、以降は膝可動が標準化し、可動を重視した製品が増えていく事となります。
そして遂に黒幕である『マクータ』がシリーズ3年目で遂に製品化。更に新たなるトーア『タカヌーバ』も登場し、マタ・ヌイ島編のクライマックスを大いに盛り上げました。
メディア展開
シリーズ初となる劇場アニメ『バイオニクル・ザ・ムービー:マスク・オブ・ライト/BIONICLE: Mask of Light』が公開されました。 日本では劇場公開はされませんでしたが、邦訳版VHSとDVDが発売されています。