トーア・ヌーバ / Toa Nuva
製品情報
発売日 | 2003年1月 |
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価格 | 1200円(税抜き) |
備考 | 海外での販売価格:$8(米国) |
プロフィール:トーア・ヌーバ
ボロックの巣の奥底で双子の女王『バーラック・ツインズ』とトーア・マタは激闘を繰り広げました。
両者の力が拮抗しますが突如発生した大地震が状況を一変させます。
激しい揺れはボロックの巣を破壊し、砕けた天井は落盤となってバーラックを岩石の中へ押し込め、
崩れた床の下に隠れていた銀色の液体が満たされたシリンダーにトーア達は転落してしまいました。
しかしトーア達の身には地震よりも更に不可解で驚くべき事が起こります。
シリンダーに満たされていた謎の液体『プロトデルミス』の力でトーア達の姿が変異したのです。
有機的な形に変化したマスクは装着者のみならず近くに居る者にもその力を与え、
装甲はあらゆる攻撃を弾く強度を持つ銀色の鎧に、武器は2つの機能を併せ持つ新たなものへと変化しました。
そう、彼らは進化したのです、新たなヒーロー『トーア・ヌーバ /Toa Nuva』へと。
パッケージ
パッケージは『トーア』シリーズに引き続きボトルタイプのものとなっていますが幾つか変更点もあります。 まずボトル本体はボロックシリーズ同様にクリアタイプになり、ラベルも2重ではなくなっています。 次にキャップの形状も変化しスリットが目を引く形状になっています。 ラベルのは2種類の絵柄が大きくプリントされており、トーア・ヌーバの売りである「2つの機能を備えた武器」をアピールしています。
ボトルキャップは形状が変化していますがマスクホルダーとしての機能は引き続き備えています。 ただしセンター部分はトーアのインナーヘッドではなくテクニック系のパーツを刺せる穴が開けられています。 ちなみにボトルキャップの中央の丸い穴は貫通しているものとしていないものの2つのバージョンがあるようです。 (製造時期や製造工場によって差があるのかもしれませんが厳密な理由は不明)
モデル
基本的な構造は『トーア』シリーズと共通していますが、アーマーの追加と手足の形状の変化によってパワーアップ感を上手く出しています。
マスクがかなり大きくなっているので分かりにくいですが、脚パーツが前のものより少し長いので身長もちょっと高くなっています。
手首の可動が追加され武器を持ったポーズが付けやすくなっていますが、首・肘・膝は相変わらず動かないため可動範囲の印象はそこまで変わらない感じです。
カラーリングは基本的にパワーアップ前のものを踏襲していますが銀色パーツが加わった事で印象を変えています。
「“銀色”を前面に押し出したレゴセット」というのは当時としては初の試みであり、バイオニクルシリーズがいかに革新性を重んじていたかが伺えますね。
これまで銀色のレゴパーツは前年のマスクセットで使われた暗いシルバーや、メッキ処理したパーツが存在しましたが、
トーア・ヌーバでは「フラットシルバー」と呼ばれる明るい色が特徴の全く新しい銀色が採用されました。
以降レゴブロック全体で最もスタンダードなシルバー系カラーとなり、若干の色調整を経ながらも現在でも多くのレゴセットに用いられるレゴには欠かせない色となっています。
8566 オヌー・ヌーバ / Onua Nuva
パーツ数 | 41ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | パカリヌーバ / Pakari Nuva |
武器 | クエイクブレーカー / Quake Breakers |
プロフィール:オヌー・ヌーバ
大らかな心を持つ大地のトーア『オヌー』がエネルギープロトデルミスの力で進化した姿。 新たな武器『クエイクブレーカー』は地底を高速で掘り進む事ができるだけでなく、足に装着することでキャタピラ式ローラーブレードとなり洞窟内を高速で移動する事ができる。 カノイ・マスクも自身だけでなく周囲の者の「筋力」を高めることができる『パカリヌーバ』へと変化した。
コメント
オヌーはトーアの中でもユニークな体型が魅力でしたが、武器が爪からブレードになったりアーマーの追加で体型が分かりにくくなってしまったのが惜しいです。 もっとも「チェーンソー+キャタピラ」という武器のデザイン自体は独創的かつ豪快で面白く、トーア・ヌーバの武器の中でも一番好きだったりします。
8567 レーバ・ヌーバ / Lewa Nuva
パーツ数 | 37ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | ミルヌーバ / Miru Nuva |
武器 | エアカタナ / Air Katana |
プロフィール:レーバ・ヌーバ
機敏でせっかちな大気のトーア『レーバ』がエネルギープロトデルミスの力で進化した姿。 武器のエアカタナは大木も切り倒せる切れ味を持つだけでなく、レーバの飛行能力をも大きく向上させている。 カノイ・マスクは自身のみならず周囲の者にも浮遊能力を与える『ミルヌーバ』へと強化された。
コメント
レーバは元々スタンダードな体型なのでヌーバ版も中々バランスよく纏まっていると思います。 武器のエアカタナもデザインはかなりシンプルな部類ですが、バイオニクルの武器の中でも妙に印象的な武器の1つだと思っています。 日本語を取り入れたと思しきネーミングはバイオニクル全体から見ても稀有であり、飛行時の構え方がまた独特です。 他のトーア・ヌーバの武器と比べると(オモチャのギミックとしては)やっつけ感すらあり、発売当時はその点を指摘する声も多かった記憶がありますが、 振り返ってみればこれはこれで面白いんじゃないかと思います。
8568 オワツ・ヌーバ / Lewa Nuva
パーツ数 | 37ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | カカマヌーバ / Kakama Nuva |
武器 | クライミングクロウ / Climbing Claws
フットアディション / Feet Additions |
プロフィール:オワツ・ヌーバ
頼りがいのある岩石のトーア『オワツ』が進化した姿。 両手の爪はプロトデルミス製の『クライミングクロウ』に変化し険しい山を登ったり硬い岩を切り出す事が可能になった。 更に2つの爪を合体させることで伝説の『コダンボール/Kodan Ball』となり、オワツの脚力を活かす最良の武器となる。 身に付けているカノイ・マスクも自身と周囲の者の走力を強化する『カカマヌーバ』となった。
コメント
胴体を上下逆転させたオワツ独自の組み方とキックギミックはトーア・ヌーバとなっても健在。
いわばユニーク枠のキャラクターですが、よくよく見るとトーア版の特徴を丁寧に拾ってパワーアップ版のデザインに落とし込まれていて好感が持てます。
武器のクライミングクロウは小型なため一見すると地味ですが、トーア版の「指」の意匠を踏襲しつつ、オワツのウリである「キック」と絡め、
なおかつ「好きな時にボールを用意できる」という具体的なパワーアップを表現しているのが素晴らしいです。
トータルのデザインも、同じユニーク系のオヌーがアーマーの追加でボディバランスを崩し気味であるのに対し、
オワツは「低重心(ズッシリ)感」が増す方向に印象が変えつつ纏まっていて良いです。
色と武器に派手さがないためか当時は売れ残りがちでしたがトーア・ヌーバの中でも完成度が高い部類ではないでしょうか。
8570 ガーリ・ヌーバ / Gali Nuva
パーツ数 | 44ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | カウカウ・ヌーバ / Kaukau Nuva |
武器 | アクア アックス / Aqua Axes |
プロフィール:ガーリ・ヌーバ
真面目で協力的な水のトーア『ガーリ』が進化した姿。 両腕のフックが変化した2振りの戦斧『アクアアックス』は優れた威力を持つだけでなく脚に装着する事でフィンとなり、 両腕のスクリューと合わせて彼女の水中での機動力を大きく向上させた。 更に身に付けているカノイ・マスクも自身だけでなく周りの者も水中での呼吸が可能になる『カウカウ・ヌーバ』へと進化した。
コメント
単体として見ると全体的に整った姿をしていてカッコいいと思います。 ですがパワーアップ前と比較すると、マスクがクリアブルーでなくなっていたり、 女性らしいプロポーションに近づける為の工夫がこれといって無い事(トーア・マタ版は脚パーツの向きなどで差を出す工夫がされていた)など、個性的な部分が失われてしまったのが少し残念。 一方で武器のアクアアックスは足に装着するために2方向から接続穴が空けられているのが興味深く、記憶する限りではこのタイプの接続穴があるのはこの武器だけだったと思います。
8571 コパカ・ヌーバ / Kopaka Nuva
パーツ数 | 42ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | アカク・ヌーバ / Akaku Nuva |
武器 | アイスブレード / Ice Blade |
プロフィール:コパカ・ヌーバ
寡黙な氷のトーア『コパカ』が進化した姿。 氷の剣は1対の『アイスブレード』に変化し、盾もより大きく頑強なものとなった。 アイスブレードは足に装着することでスケートやスキーのように氷上を素早く移動するツールにもなる。 身に付けているカノイ・マスクも自身だけでなく周りの者にも透視能力を与える『アカク・ヌーバ』に進化した。
コメント
スマートさが際立っていたパワーアップ前に比べ、全体的にガッシリとした体型かつ重装備にしたことでパワーアップ感が分かりやすく出ているのが良いですね。 アイスブレードは単体では標準的な大きさですが連結することで(発売当時では)最大級の武器になっているのもインパクトがあってグッドです。
8572 タフー・ヌーバ / Tahu Nuva
パーツ数 | 36ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
マスク | ハウ・ヌーバ / Hau Nuva |
武器 | マグマソード / Magma Swords |
プロフィール:タフー・ヌーバ
短気で正義感の強い炎のトーア『タフー』が進化した姿。 炎の剣は2本の『マグマソード』に変化し、合体させる事で溶岩の上を滑るためのラヴァ・サーフボードとなる。 身に付けているカノイ・マスクは装着者だけでなく周りの者にも守護の力を与える『ハウ・ヌーバ』に進化した。
コメント
タフー・ヌーバにおける最大のポイントはデザイン云々よりもまず「ラヴァ・サーフボード」が付属したことではないでしょうか。 パワーアップ前のタフーはパッケージや店頭で流されていたプロボーションビデオなど様々なメディアで溶岩サーフィンを披露していましたが、 肝心の製品にはサーフボード(この時期は板状の岩)が付属しなかった為にラヴァ・サーフボード難民が無数に生まれ、 その結果バイオニクルの定番改造の1つが「自作サーフボード作り」になるという湘南ボーイもビックリな事態を生んでいただけに、 タフー・ヌーバ(とマグマソード)の登場はまさに待望のものでした。 今にして思えばトーア・ヌーバの「2モード武器」というデザインはレゴ社的にも「タフーにボードを付属させたい」という思いが原点だったのかもしれませんね。
ギミック
パワーアップ前と同様にマスクは付け替えが可能。 インナーヘッドの形状や目の色も前のものを引き継いでいるので後方から光を当てると目が光って見える集光ギミックも健在です。
胴体ブロックにはギアが組み込まれており背中のギアを回すと連動して腕(オワツのみ脚)を振ります。 またギアの入り方によって片腕が動くキャラクターと、両腕が動くキャラクターに分かれます。 そして、このスイングギミックを用いて別製品のマスクを叩き落として遊ぶ事も可能です。
ポージング
各部がボールジョイント接続なのでポーズを付けて遊ぶ事が可能です。 首・肘・膝が動かないので一般的なアクションフィギュアほどは動きませんが、それでも当時のレゴブロックとしては破格の可動範囲で、 前述の通りギアを固定する部品が含まれるようになったので幾らかポージングもしやすくなっています。
トーア ヌーバ・カイタ / Toa Nuva Kaita
トーア・マタ同様、トーア・ヌーバも3体を組み合わせて合体モデルを作る事ができます。
アカマイ・ヌーバ / Akamai Nuva
プロフィール:アカマイ・ヌーバ
『アカマイ・ヌーバ』は『タフー・ヌーバ』『オワツ・ヌーバ』『オヌー・ヌーバ』が合体する事で生まれるとされる強力なトーアです。 元となる3体のトーアがトーア・ヌーバにパワーアップしているためトーア・アカマイの頃もより強大な力を持つと考えられており、 「守護」「速さ」「力」の3つの力を持つ「勇気のマスク」も『アキ・ヌーバ/Aki Nuva』に進化しているとされます。 しかし、タフー達がこの姿になる事は無く、更にマクータ・テリダックスとの最終決戦後にトーア・ヌーバがトーア・マタの姿に戻った為にアカマイ・ヌーバは幻のトーアとなってしまった。
コメント
以前のアカマイと基本的な構造は同じですが、手足の組み方が幾らか洗練されより人型に近いフォルムに改良されています。 それでもプロポーション的には結構苦しい部分もありますが、大きさが通常時の倍になるのはボリュームがあって良いと思います。
ワイルア・ヌーバ / Wairuha Nuva
プロフィール:ワイルア・ヌーバ
『レーバ・ヌーバ』『ガーリ・ヌーバ』『コパカ・ヌーバ』が合体する事で生まれる強力な融合形態。 「浮遊」「水中呼吸」「透視」の力を併せ持つ「英知のマスク」は『ルア・ヌーバ/Rua Nuva』に進化している。 強力なエリートボロック『ボロックカル』に対抗する為に合体・出現したが、ボロックカルもまた融合形態『ボロックカル・カイタ』となったため力の差を埋めるには至らなかった。
コメント
パワーアップ前と基本構造が共通するアカマイに対して、ワイルアはガラッと構造が変更されています。 旧ワイルアは体躯をとにかく大きくする為の組み方がされていましたが、ワイルア・ヌーバはプロポーションの改善を第一に作られている印象で、 肩アーマーや背部のスクリューなどロボットヒーローにも通じる部品配置がカッコいいです。(首が動くのもGOOD!) 反面サイズは旧版の2/3ほどになっており、特にアカマイ・ヌーバと並べると不釣り合いになってしまっています。
ポージング
可動は両者ともにかなりクセが強く大型化したことで自重に負けやすくもなっています。 そのためディスプレイよりも手に持って遊ぶ方が向いているかもしれません。
総評
お気に入り度 |
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オススメ度 |
コストパフォーマンス |
武器やアーマーの工夫によって上手くパワーアップモデルに仕立ててあると思います。 ギミックが増えた事で遊びがワイドになり、全て解消されたわけではないにせよ不満点を改善していこうという当時の姿勢も感じられます。 今の目で見ると物足りない部分もありますが、同じくらい味わい深さもあって好きですね。