ピラカ / Piraka
製品情報
発売日 | 2006年3月 |
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価格 | 1350円(税抜き) |
備考 | 海外販売価格:$8.99 |
パッケージ
お馴染みのボトル型パッケージですが上部に中に入っているピラカのマスクが模られているのが特徴的。 パッケージアートも特徴的で、これまでのボトル系セットはそのキャラクターのテリトリーである風景が背景に描かれてきましたが、 ピラカシリーズの背景はほぼ白地(足元にかろうじて属性要素があるのみ)で描かれており「キャラクターのデザインとインパクト」を最重視したデザインになっています。
これまでもボトルの蓋には「マスクが置ける」「パーツとして使える」など何かしらのギミックがありましたが、
ピラカシリーズでは更に踏み込んで「店頭に並んでいる状態でもギミックで遊べる」デザイン(通称「"Try Me"パッケージ」)になっています。
具体的には天面のボタンを押すことで「ピラカの目が光る」というもので、発光パーツは実際にモデルに組み込むレゴパーツが使われています。
(ただ、この仕様の為に「販売段階でライトの電池が切れる」という問題も発生していました)
このデザインが採用された理由としては「バイオニクルが最もヒットしていた北米市場(=アクションフィギュア市場)でアピール力を高める狙いがあった」という説が最も有力とされています。
余談ですが半年後に発売された『トーア・イニカ』でも類似するギミックを備えたパッケージが採用されました。
他にも蓋の左右にある窪みにはセットに入っているサモラボールを置く事ができる(固定はされない)な形になっています。
余談ですが、実は蓋に付いているマスクは取り外しが可能で、当時は(本来のピラカのマスクが扱いづらい仕様だったこともあり)このプラ製マスクを使ったオリジナル作品制作がネット上で流行ったりもしました。
メインモデル
ピラカシリーズは基本的なジョイントパーツ以外の大半のパーツが新規造形部品で構成されています。
前年の『トーア・ホーディカ』や『ヴィソラック』シリーズの時点でその傾向はありましたが、
ピラカシリーズで遂にバイオニクルの伝統であった「ギアギミック」「バトルギミック」を完全廃止。
更にかつてバイオニクルシリーズの母体であった『レゴ テクニック』系の部品も最低限にまで削減されています。
デザイン自体も前年までの機械的かつ細身でどこか神秘性を秘めるような雰囲気から一転、
『スポーン』や『ビーストウォーズ』などを思わせる有機的で筋肉質(極めて乱暴な言い方をすればアメリカンマッチョ)で獰猛なデザインで造形されています。
特にゴム素材のマスクや剥き出しの歯は良い意味でもある言意味でもピラカを語る上で外せないアイコンとしてバイオニクルファンの脳裏に深く刻まれることとなりました。
また、「新たな金属色」やバイオニクルでは少ない「サンドカラー」などこれまでにない成形色を多く取り入れている点も特徴と言えます。
特にこの年に一新された明るい金色「パールゴールド」は(多少の色味調整はありますが)現在に至るまでレゴブロック全体で使われる定番カラーになりました。
各モデルの色以外の差異は「マスク」「武器」「足」の3点。
でこれまで「脛」や「太腿」、あるいは足に装着するツールで差異を出すシリーズは幾つかありましたが、くるぶしより下の「足」の形状自体に差を付けたのはピラカシリーズが初になります。
8900 レイダック/Reidak
パーツ数 | 42ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
武器 | バズソー / Buzz Saw
サモラランチャー / Zamor Launcher |
キャラクター
『ザ・トレーサー / The Tracer』(=追跡者)の二つ名を持つレイダックは高い追跡技術とタフさを持ったピラカだ。 破壊行為を好み、逆に回りくどい罠や作戦を嫌う彼は大抵の場合において敵を力でねじ伏せてしまう。 しかし決して知能が低いわけではなくむしろ狡猾なピラカであり、 かつてザ・シャドウトワン(ダークハンターのリーダー)がカノイドラゴンを解き放ってメトロ・ヌイを攻め込もうと計画した際にはいち早くそれを察知した。 ゴーグル状の目は赤外線を捉える事ができ、暗視能力だけでなく獲物の発する熱を視覚的に察知できる。
コメント
大地属性のキャラクターはシンボルカラーが黒やダークグレーであるためどうしても地味な色合いになりがちでしたが、 レイダックは新カラーのパールゴールドを取り入れた事で、黒主体でありながら華のある色合いを実現した点が革新的。 更に鮮やかな金色はギャングらしい「いやらしい派手さ」を感じさせ、それでいて「どこか妙な高級感を感じる」カラーリングに仕上がっている点が上手いと思います。
8902 ヴェゾック/Vezok
パーツ数 | 41ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
武器 | ウォーターハープーン / Water Harpoon
サモラランチャー / Zamor Launcher |
キャラクター
『ザ・ビースト / The Beast』(=野獣)と呼ばれるヴェゾックはかつてクールで知略に秀でた戦術家だった。
マクータ・テリダックスとタカヌーバの決戦の後、マクータの隠れ家でもあったマンガイア寺院を訪れたピラカ達は武器を略奪していたが、
その中にあった融合の杖の力でヴェゾックは2人のピラカに分裂し新たな銀色のピラカ『ヴェゾン』が生まれ、同時にヴェゾックの知的なエッセンスは失われた。
その後の彼は平静な時こそクールに見えるが、些細な事で怒りが爆発するようになり、その姿はまさに野獣という他ない。
知性を欠いたヴェゾックはかつての戦略家としての面は失われたが、凶暴な性格と近くにいる生物の能力をコピーする能力を持っており依然として危険な存在である。
コメント
ヴェゾックは凶暴なキャラクターですが色合いはなかなかクールですね。 ボール受けパーツに使われている薄めの青は「サンドブルー」呼ばれる色で、当時はシステム(普通のレゴ)系セットで多く採用されていた色でした。 これ以降バイオニクル系セットで使われる事は殆どなかったので(バイオニクルビルドでは)使いづらい色の1つという認識がされていたように思いますが、 近年ではレゴスターウォーズ:ビルダブルフィギュアのジャンゴ・フェットで同色のパーツが登場したのが印象的。 デザイン面ではフェイスや武器デザインが割とオーソドックスなのでピラカの中では比較的取っ付きやすい部類かなと思います。
8903 ザクタン/Zaktan
パーツ数 | 41ピース |
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パーツリスト | BrickLink ※外部リンク |
武器 | スリーブレイド・スライサー / Three-Bladed Scissor
サモラランチャー / Zamor Launcher |
キャラクター
サディスティックかつ神秘的なザクタンはかつて奴隷の身に甘んじていた。しかし今の彼は仲間も恐れるピラカのリーダーである。 『ザ・スネーク/The Snake』(=蛇)の異名を持つ彼は卑劣かつ秘密主義だが、何より不気味なのは『プロトダイト / Protdite』と呼ばれる羽虫のようなラヒに分裂できる点である。 これはかつてザクタンがダークハンターに所属していた頃にザ・シャドウドワンの目から放たれる崩壊光線を受け、身体が無数のラヒの集合体に変異させられた構成された為に得た能力だ。 そのため彼の声は複数の声が同時に発せられたように聞こえ、その身体は常に揺らめいて見えるという。
コメント
ザクタンは設定に違わず「ゴールドカラーのボディ」「3枚刃のブレード」「ユニークな形のヒレ」など見栄えするディティールが多いのがいいですね。 ザクタンが一番分かりやすいですが、ピラカは歯の剥き出し方(口の形)がそれぞれ異なるのも面白いです。
ギミック
パッケージの項目でも述べましたがピラカシリーズの目には発光ギミックがあります。
発光用の電飾パーツはトーアメトロのヘッドパーツにも対応する形状になっているのが嬉しいですね。
欲を言えば色にバリエーションが欲しいところでしたがピラカ自体にはオレンジの目が似合ってるとは思います。
ただ、パッケージの仕様で未開封状態でも電池切れし、また電池交換もできない仕様は(コストやサイズ的な制約もあるとはいえ)諸刃の剣的な感じですね。
ちなみに劇中でもピラカは全員ヒートヴィジョン(目から出る熱光線)を使えるという設定になっています。
また、特徴的な白い歯には蓄光塗料が塗ってあるため暗闇でぼんやりと光ります。(光量そのものは控え目)
左腕にはピラカ共通の武器『サモラランチャー』を装備しています。 今ではレゴ全体でお馴染みのこのボール発射ギミックも実はピラカが発祥。 タカラトミーのビーダマンのような構造になっていて、バーを押しこむ事でボールが発射されます。
ピラカは右腕に大型の武器を装備しています。 全ての武器が『2つの機能』を備えたデザインになっており、手首にあたるボールジョイントを可動させることでモードチェンジができます。
ポージング
可動個所はこの時期のバイオニクルのセットでは最高クラス・・・なのですが、マスクから延びる「背びれ」がそこそこ硬いため、首と腕はポーズをとらせてもすぐに元に戻ってしまいます。 手に持ってロールプレイする分にはそこまで気になりませんが、ディスプレイには不向きな仕様となっています。
総評
お気に入り度 |
|
オススメ度 |
コストパフォーマンス |
この挑戦的なデザインはバイオニクルファン達にかつてない強烈なインパクトを与え、当時は激しい賛否両論を生んだと言われています。
正直に言えばギアギミックの廃止は物足りなく、ゴム製マスクパーツの弊害で可動が制限されるなど欠点も少なからずあるのですが、
それを踏まえた上でも「見る物に有無を言わせない独特の雰囲気」を放っている点は「まさにバイオニクル」というべきであり、
他に類のないデザインはフィギュアとしても大変に魅力的で大好きです。
ピラカ~トーア・イニカの時期は北米におけるバイオニクルの最盛期と言われており、
後に人気キャラクターを選抜構成した『バイオニクル:スターズ』シリーズにもピラカをモチーフにした商品『ピラカ(ネックタン)』が登場します。
ピラカシリーズの登場によってこれ以降のレゴ バイオニクルの方向性が決定づけられた面は大きいので、それを踏まえるとピラカはバイオニクルファン必携のアイテムとも言えるかもしれませんね。